2009.11.16

「傭兵の二千年史」

だいぶ前に買った「傭兵の二千年史」を再読。
なにしろ講談社現代新書が、まだクリーム色の表紙の頃だもんなあ。

本書は、クセノフォンのギリシャ傭兵を皮切りとするも、
第四章以降で著述される中世傭兵の盛衰がメインテーマらしく、
イタリア傭兵、スイス傭兵、ドイツ傭兵ランツクネヒトに各一章を割いてます。

さらにドイツ農民戦争、ローマ略奪などの「邪悪な戦い」に触れ、
マウリッツの軍制改革、三十年戦争、スペイン継承戦争を経て、
傭兵たちが近世国家権力に呑み込まれる様が記されています。

新書ですのでボリュームは物足りないかもですが、
中世傭兵をざっと俯瞰する(←最近こればっか)には良い本だと思います。

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2009.11.14

洋書:中世戦史「The Renaissance at War 」

来週のTOM5に向けて中世気分を高めようと、
スミソニアン戦史シリーズ「The Renaissance at War」を購入しました。

これ東洋書林から翻訳が出ている「図説 古代ギリシアの戦い」
「図説 古代ローマの戦い」と同じシリーズだそうで、
もし邦題を付けるなら「図説 中世ルネッサンスの戦い」になるのかな。

扱うのは1450年から1610年頃までで、日本の戦国時代とまるかぶり。
カンブレー同盟戦争だのユグノー戦争だの80年戦争だの、
いずれも日本語で読める書籍が少なく、ウォーゲームも限られてますが、
ミニチュアゲームの世界では人気ジャンルなんでしょうね。

前半は兵科の解説で、第一章「The New Fury」で火砲と攻囲戦を、
第二章「The New Legions」で歩兵と火燧銃、輜重隊を、
第三章「The New Caesars」では騎士とピストルを採り上げています。

特に火砲の開発過程、射程距離などの性能も詳しく紹介され、
砲兵隊が携行した装備(釘やストーブ、ショベル)の数も列挙されてます。

後半は、ルネッサンス期戦役の解説で、
第四章「Cross versus Crescent」は、キリスト教vsイスラム教を軸として
ロードス島やマルタ島の攻囲戦、アルカサルキビル会戦を図解。

第五章「Duelling Kings」は、ハプスブルグ家とヴァロア家の戦争が主で、
カンブレー同盟戦争ラヴェンナ会戦、イタリア戦争パヴィア会戦を図解。

第六章「Faith versus Faith」は、フランス宗教戦争/ユグノー戦争や、
80年戦争/ネーデルランド独立戦争を扱い、アントワープ攻囲戦を図解。

とにかくカラー図版が多いので、僕のような洋書初心者にも読みやすいです。
その分、突っ込みは浅く、文章量は物足りないかもですが、
ルネッサンス期の戦争をざっと俯瞰したい方にはオススメです。

ちなみにTOM5で行うフォルノヴォ会戦の記述はちょっとですが、
そちらについては、また別に一冊買ったので届いたら紹介いたします。

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2009.11.12

「ロンメル戦記 第一次大戦~ノルマンディーまで」

山崎雅弘さんの新刊「ロンメル戦記」を購入。

ロンメル元帥の生誕から悲劇的な死までを綴った詳細な、
と言うより赤裸々な人物伝になってます。

勿論、両大戦での活躍も事細かに記されてますが、
むしろ目を引くのは、恋人がいながら別の女性に子供を産ませたり、
北アフリカで部下たちに理不尽な命令を下して衝突するなど、
良く言えば人間くさく、悪く言えば負の側面まで晒して、
神格化された智将の実像をリアルに解き明かした部分でした。

歩兵学校教官として、部下の損失を抑えるよう指示しながらも、
フランス戦で指揮した第7装甲師団に甚大な損害を被らせ、
その犠牲と引き替えに、自らは名声を得たのも皮肉ですな。

また自分の要望が通らない時は、直接ヒトラーを頼って事を解決する等、
そりゃあ周囲の将軍は面白くないだろうし、妬まれただろうし、
北アフリカ失陥後の「厄介者」扱いにも納得してしまいますね。

でもヒトラーの寵愛が失せると、途端にロンメルの人生も萎み始め、
身に覚えのない罪で死を迎える様は、やはり気の毒に思えます。
師団長ぐらいに留まってればと思うも、なにせ歴史にもしもは無いので……

とにかく日本語で読めるロンメル評伝としては、
今日から本書がスタンダードになったと思います。
パウル・カレルの「砂漠のキツネ」じゃなくて。

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2009.10.25

「戦闘技術の歴史2 中世編 AD500-AD1500」

新刊「戦闘技術の歴史2 中世編 AD500-AD1500」も購入。
来月、TOM5で中世ミニチュア・ウォーゲームを遊ばせていただくので、
僕的には、ちょうど良いタイミングで出てくれました。

本書も「1巻 古代編」と同じく五章立て。
「歩兵」の章ではアジャンクール会戦やバノックバーン会戦、
「騎兵・戦車など」ではヘースティングス会戦、
「攻囲戦」では当然の如くコンスタンティノープル戦等を中心に、
戦闘のディティールを掘り下げて見せる造りになってます。

ギリシア、ローマの戦争が中心だった古代編と比べると、
イスラム教軍やモンゴル軍も登場し、よりワールドワイドな印象に。
装甲騎士や大砲、ハンドガンも登場して華々しい感じもするし、
TOM5までは、これ読んで中世気分を盛り上げようと思ってます。

さらに、今まであまり手を出さなかった中世ウォーゲームも、
この機会にまとめ買いしたので、後でいろいろ紹介記事書きますね。
TOM5までの一ヶ月、僕は「中世強化月間」なのです。

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2009.10.24

「戦闘技術の歴史1 古代編 3000BC-AD500」

去年、発売された時から買おう買おうと思っていた、
「戦闘技術の歴史1 古代編 3000BC-AD500」をようやく購入しました。

主にギリシア、ローマ時代の戦闘を採り上げ、
「歩兵」「騎兵・戦車など」「指揮・統率」「攻囲戦」「海戦」について、
それぞれどのような兵種、武具、戦術が用いられたか詳解した一冊です。

また各章要素が特徴を現した戦いにも焦点を当て、
包囲殲滅戦のお手本と言われるカンネー会戦についても、
本書では「騎兵・戦車など」が活躍した戦いとして紹介されてます。

他の戦史書であればハンニバルの作戦能力の高さを謳うところですが、
本書ではヒスパニアやケルト騎兵の馬術の巧みさ、優れた馬具について多く触れ、
会戦を大局的に見るより、戦術的ディティールを追究した造りになってます。

たとえば古代戦術級ウォーゲームGreat Battles of Historyシリーズでも
戦象やファランクスには良好な戦闘修整が与えられてますが、
なぜそのような修整が付されたのか、事細かに教えてくれる一冊だと思います。

続刊として「中世編」「近代編」「ナポレオンの時代編」「東洋編」も出版予定で、
原書シリーズではさらに「海戦編」「植民地時代編」もある模様。
一年に一冊でもいいので、是非続けていただきたいシリーズです。

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2009.10.14

洋書:ナポレオン戦史「The Campaigns of Napoleon」

一ヶ月ほど前に「The Campaigns of Napoleon」を購入しました。
ナポレオン戦史もいろいろ読んでみたいけど、
まずは古典中の古典とも言える本書から読むべきと思いまして。

本当は、数年前に出版された信山社の日本語版が欲しいのですが、
全5巻・5万円じゃあ手が出ないので、原書でガマンする事に。
ちょうどAmazonで新品・傷物5000円を見つけたのでぽちり。
とりあえず興味のある戦闘から、ぽつぽつと読んでます。

初版は1966年。全1100ページを超える大著です。
ツーロンからワーテルローまで、ナポレオンの主要会戦を網羅し、
二色刷の戦況図も用いて解説した、まさにナポレオン戦争大全。

有名会戦を詳解するのは勿論、それに付随した小戦闘、
例えばウルム戦の一部であるハスラッハ戦とエーヒンゲン戦も載ってます。
気になったので、モンテベロ戦とかザーレフェルト戦とか
ヴィミエロ戦とかメディナ・デ・リオセコ戦にも言及されてるかチェックしたり。
(↑いずれもJours de Gloireシリーズとしてウォーゲーム化されてます)

さすがに小戦闘は軽く触れる程度ですし、
古い本なので、もしかしたら最新の研究が反映されてないかもですが、
それでもこの一冊でナポレオン戦争の流れが俯瞰できるのは事実。
これどうにか安価で翻訳再版されませんかね。

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2009.10.13

歴史群像アーカイブvol.10「オールカラー特殊兵器大百科」

そのナポレオンも乗った?軍用気球も掲載されてる
「オールカラー特殊兵器大百科」も購入。
これ事前予告無かったから、書店で見つけてびっくりしました。

多分、歴群のカラーページまとめた一冊で、
列車砲に多砲塔戦車、氷山空母にVTOL機などが紹介されてます。
上陸用舟艇って特殊兵器?と一瞬思ったりしますが、
開発動機や、登場した当時の先進性を考えればまあ納得。

ちなみに次号は「北アフリカ戦線1940-43」だそうで。楽しみ。

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2009.09.29

洋書:WWII 戦史「Hell in Hurtgen Forest」

今日も、積ん読状態の戦史をご紹介。
カンサス大学出版部のModern War Studiesシリーズ、
「Hell in Hurtgen Forest」(ペーパーバック版)を購入しました。

本書は1944年秋、ヒュルトゲン森林戦を扱った一冊で、
同じくヒュルトゲン戦を扱ったTactical Combat Seriesゲーム、
「Objective:Schmidt」の副読本になればいいかなーと思って買ったら、
ゲームの方は11月2-6日のシュミット近郊の戦いをテーマとし、
こちらの本は、11月16日以降のグロッシャウ近郊の戦いがテーマでした。
期待していた内容とはちょと違うけど、まあいいか……

視点部隊は、アメリカ第4歩兵師団第22歩兵連隊。
この連隊、D-DAY当日はユタ・ビーチに上陸を果たし、
戦闘経験含めて十分な戦力を有していたにもかかわらず、
わずか二週間のグロッシャウ戦で約2800名の死傷者を出し、
連隊兵力の53.9%を失うという大損害を被っています。

この第22歩兵連隊の損害を克明に分析するのが本書の狙いで、
一日ごとにどの部門の、士官・下士官・一般兵が何人失われたか、
また補充兵はどれだけ入ってきたか、負傷兵がどれだけ復帰したか、
それによって連隊の戦力がどう変化したかを解析し、
軍隊組織の戦力維持についての研究書にもなってます。

そう、よくビジネス書で「軍隊に学ぶ組織論」みたいなの見かけるけど、
一般企業と軍隊が決定的に違うのは、毎日人が死ぬか死なないかだと思う。
仕事を覚えたベテランが死に、絶えず新人が入ってきてまた死ぬ、
そのローテーションを前提として戦力を維持しなきゃいけない、大変な職場。

ま、さすがにそれを題材にしたウォーゲームは少ないでしょうが、
久しぶりに「Objective:Schmidt」を遊びたくなりましたね。

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2009.09.28

洋書:WWII 戦史「Victory at Mortain」

仕事中につきネタがありません。
なので今日も、積ん読中の洋書戦史のご紹介です。

カンサス大学出版部のModern War Studiesシリーズ、
「Victory at Mortain」(ペーパーバック版)を購入しました。

1944年8月、ノルマンディ半島からの突破に成功した連合軍に対し、
ドイツ軍が装甲部隊を集めて突破口閉塞を狙ったリュティヒ作戦、
その中でもモルタン周辺での戦闘に焦点を当てた一冊です。

モルタン戦と言えば、AtO誌の付録ハガキゲーム「Stand at Mortain」
Panzerschreck誌の付録「Mortain 1944」があるそうですが、どちらも未見。
この戦いも作戦戦術級ゲームに成りうる素材で、
Amazonで関連本を探してるうち、たどりついた一冊です。

主役は、モルタン防衛を担っていたアメリカ第30歩兵師団で、
参加将兵の証言も数多く載ってますが、あくまで米軍主体の戦記です。
掲載された十数枚の戦況図は、小隊レベルにまで及ぶ物もあり、
これ見てMMP版「Panzer Blitz」のヒストリカル・モジュールとか作れるかも。

今はまだ忙しいので、折りを見て読むつもりですが……

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2009.09.26

洋書:WWII 戦史「The Battle of Kursk」

「ノモンハン」に続いてGTS絡みの戦史本をご紹介。

「詳解・独ソ戦全史」の著者コンビGlantz & Houseによるクルスク本、
「The Battle of Kursk」(ペーパーバック版)を購入しました。
こちらもカンサス大学出版部のModern War Studiesの一冊です。

内容は、ドイツ軍の攻勢計画から作戦実施、ソ連軍の逆攻勢までを扱い、
参加部隊の損失(戦車種別・損失程度含む)も段階的に記録しています。

特にボロネジ方面、プロホロフカ周辺に関しては細かな戦況図で解説し、
分厚いソ連軍陣地に強引に突入するSS装甲部隊の動きが見て取れます。
しかしドイツ軍の攻勢が潰えるや、「今からずっと俺のターン!」とばかりに
ソ連軍があっと言う間に屈曲部を埋め、戦線を平らにする様は圧巻ですね。

さて本書を買ったのは、GTSでもクルスク戦ゲームが計画されているからで、
予定ではボロネジ方面だけ切り取って製品化する模様です。

「GTSクルスク テストプレイ用地図」

「Board Game Geek掲載のテストプレイ写真」

クルスク戦も、かつて喧伝されていたほどの大戦車戦ではなかったそうですが、
それでもSS装甲師団が束になって攻勢に出たのは事実だし、
その状況を戦術作戦級スケールで表現するのは、魅力的に思えます。
GTSなら、戦闘序列の正確さにも期待できますし(笑)。

たとえば、ほとんどのバルジ戦ゲームの地図にもアントワープが無いように、
クルスク戦も、本来の戦略目標抜きのゲームで良いような気がしますね。
この戦いは、作戦範囲が広大な割りに期間が短いので、全体を包括するより、
シックス・アングルズさんの「ツィタデレ:クルスクの決戦」のように、
細かく切りだした方が僕は好きかな。(↑未購入ですけど…)

でも「GTSクルスク」出るの、いつなんだろ……
あと「GTSノルマンディ三部作(マップ13枚!)」出るの、いつなんだろ……

「GTSノルマンディ三部作 予定マップ範囲」

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